2022.07.18
デザイン ニュース次世代の経営モデルとして注目を集める「パーパス経営」。現代の企業は利益を追求するだけでなく、自社の存在意義を明確化させて、社会課題の解決などに寄与することが求められています。
このブログでは、パーパスとは何か、これだけ注目されている理由を解説するほか、実際にパーパスを策定し、ブランディングを行なっていく上で気をつけるべき点などをご紹介いたします。
目次
そもそも「パーパス(Purpose)」とは、一般的に「目的、意図」と訳される言葉です。
近年では、経営戦略やブランディングのキーワードとして用いられることが増えてきました。この場合は企業や組織、個人が何のために存在するのか、すなわち「存在意義」を意味します。
それではなぜ、パーパスが重要視されているのでしょうか。
大きな理由の一つは「SDGs(Sustainable Development Goals)」です。SDGsとは、国連総会で採択された2030年までに達成するべき「持続可能な開発目標」を指しています。
多くの企業や自治体では、このSDGsの達成に寄与することを求められており、事業内容も「サステナブル」なのかどうかが問われるほか、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(管理体制)」の3要素を念頭に経営に取り組む「ESG経営」へのシフトが求められています。
つまりは、社会にどのような価値を提供し、貢献していくのかといった「志」や「社会的存在意義」が、「信頼」と「共感」を呼び、企業価値を高める時代へと変わっているのです。
これは、経営者や投資家、消費者からの視点だけではなく、「何のために働くのか?」を自問自答する若者世代が増えている点から、働き手の確保においても重要視すべき項目となっています。
また、一口にパーパスと言っても、ニュアンスが大きく違う可能性があります。まずは前提としてパーパスの定義には大まかに3つの意味合いがあります。
すでにある自社の商品やサービスの魅力、顧客に対してどんな役に立ち、どういった価値提供ができるのかを落とし込んだパーパスです。
例えば、ソニーグループが掲げているパーパスは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」です。このパーパスが軸にあったからこそ、コロナ禍においても軸をブラさずに、過去最高の収益に繋げられています。
何のために事業をおこなっているのか、等身大の共感しやすい言葉でまとめたパーパスです。合言葉のように活用することで社内の一致団結を促したり、共感しやすさから社外の企業とパートナーシップを組んで事業を進められる可能性もあります。
保険業を中心とした東京海上ホールディングスは1879年の創業以来、「お客様や地域社会の”いざ”を支え、お守りする」といったパーパスを変わらず掲げて続けています。社内外にも伝わりやすく、コラボレーションの余地が大きくあるパーパスです。
社会の課題を解決したり、社会をより良くしていく価値提供を掲げたパーパスです。②と重なる部分もありますが、より地球規模のグローバルな課題であったり、明確な社会課題の解決にフォーカスしたパーパスとなります。
例えば、ユニリーバのパーパス「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」は企業の大義を表現したとてもわかりやすい事例です。
これからパーパスを策定していくにあたり、時々立ち止まって、現在のパーパスが①〜③のどのニュアンスにあたるのか明確化した上で定義していくことが重要です。
パーパスを策定し、パーパスを活用したブランディングを進めていく中で、気をつけるべき点が4つあります。
一つ目は、地に足のついたパーパスを策定することです。あまりに理想論を掲げ過ぎたパーパスは、実感が伴わずすぐに形骸化してしまいます。すでに明文化している経営理念や社内風土、自社のサービスや商品の価値提供を紐解いていく中で、自然と地に足のついたパーパスにたどり着けます。
二つ目は、社員一人一人の中にパーパスを浸透させることです。当たり前ですが、経営者や役員・幹部のみがパーパスを唱えても意味がありません。社員やスタッフ一人一人にパーパスを落とし込み、なぜ自社が、自分がそのパーパスを掲げるのか目的意識を醸成させる必要性があります。
三つ目は、パーパスを具現化し、社内外を巻き込むことです。どれだけ自社の策定したパーパスを分かりやすい形に具現化できるかによって、社内外への浸透度合いが変わってきます。
四つ目は、パーパスの策定から具現化、社内外に浸透させるまで一貫しておこなうことです。社内でパーパス策定のプロジェクトチームをつくったり、社外の企業に依頼することは重要ですが、それぞれのセクションに一貫性がなければ、軸の通ったパーパスは策定できません。プロジェクトチームの当事者意識の醸成にも大きく関わってきます。
策定したパーパスをどう社内外に浸透させるのか?パーパスの策定以上に重要かつ、力を入れて取り組んでいくべき項目です。
なぜならば、パーパスを活用して自社の企業価値を高めていく上で、自社の社員に浸透していない場合、パーパスはただの綺麗事として形骸化してしまいます。これでは、逆に自社のブランディングを毀損してしまいますし、社員の士気も上がりません。
パーパスの浸透には、丁寧に時間をかけてさまざまな取り組みをおこなう必要があります。トップダウンで経営者サイドから何度もメッセージを発信していくことや、パーパスの策定チームや経営者層を交えてワークショップやコミュニケーションを重ね、ボトムアップで浸透させていくこと、どちらも必要です。
そうした取り組みの結果、社員が自社のパーパスを理解し、自身の行動で示していけるようになって初めて、パーパスが浸透したと言えるでしょう。
ゴーアヘッドワークスでは1年に一度、経営指針書を作成しスタッフに配布しております。経営指針書には、弊社が目指すビジョンであり、行動の根幹となるパーパスを記載しており、社員がいつでも携帯して読み返せるようにしています。
また、この経営指針書にも活用しているのが「ビジョン見える化イラスト」です。明文化したパーパスを一枚の分かりやすいイラストで表現することで、初見の方にも自社が掲げているパーパスや目指している世界観を伝えやすくなります。
こうしたパーパスの策定から浸透、パーパスブランディングまで手がけたい企業の皆さまへ向けたプランもあります。弊社代表の蒲優祐が半年から1年間の時間をかけて、月に一度のペースでお打ち合わせを重ねながら、パーパスの明確化から社内外の浸透までトータルでコンサルティングさせていただきます。
パーパスに関するデザイン制作はゴーアヘッドワークスにお任せください。
まずはお気軽にご相談ください。
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