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絆画(きずなえ)作家・イラストレーター/大村順 インタビュー前半

2018.06.26

インタビュー デザイン

故人とご遺族の絆を描く絵画 「絆画 (きずなえ)。繊細な筆遣いと鮮やかな色合いで描くのは、これまで14万人以上の似顔絵を描いてきた株式会社ゴーアヘッドワークス所属のイラストレーター大村順

似顔絵を希望する人は、幸せな日々を送るカップルや家族がほとんど。その中でなぜ、故人とご遺族にフォーカスしたグリーフケア事業「絆画」を始めたのか。そのきっかけや、遺族の悲しみに触れて描いていく中で、湧き上がった想いに迫りました。

 

親友の突然の死が、絆画を始めたきっかけ。

 

絆画を始めたのは、突然に親友を亡くしたことがきっかけでした。親友とは中学生で出会い、意気投合してよく一緒に遊んでいたんです。大人になってからも友情は続き、僕が描いた似顔絵を引っ越し先にも必ず持って行ってくれて、僕の絵の技術を「魔法だ!」と自慢してくれていたらしいです。でも親友は地元を離れたこともあり、なかなか会うことも少なくなっていました。

 

親友を描いた似顔絵。ずっと持ち歩いてくれていました。


 
 

そうして27歳の時、不慮の病で亡くなってしまったんです。突然、親友のお兄さんから電話がかかってきて「亡くなった」と告げられた時、電話越しには信じられなかったですね。親友の実家に行き、仏壇の前で手を合わせて初めて「もうこの世にはいないんだな」と実感しました。

 

お母さんから「順くんに会いたがっていたんだよ」と話を聞いて、もっと遊んでおけばよかったと凄まじい後悔の念が湧いてきたんです。

 

それから年に一度命日には、可能な限り親友の実家にお参りしてお母さんとお話していました。ずっと「なにか力になれないかな」と思いながら5年が経ち、ちょうど去年伺った時でした。「家族写真を撮っていなかったんだよね。撮りたかったなあ」と、お母さんが呟いたんです。その瞬間にこれだなと直感しました。

 

親友が贈ってくれた僕の道標、「絆画作家」。

 

これまで僕は似顔絵師として、14万人以上の似顔絵を描いてきています。その技術と経験の蓄積から、5年経って32歳になった親友の顔を想像して描いて、その周りに現在の家族の姿を描きました。亡くなっていたとしても、共に生きて流れている時間を表現したかったんです。そうして描き上がったのが「絆画」の一枚目になります。

 

親友とご家族のために、初めて描いた絆画。


 
 

しんみりしたくはなくて、明るく渡そうと思ったんです。でも絆画をご家族に見せた瞬間、お母さんは言葉が出ないまま、わーっと泣き崩れました。「生きているみたいだ。描いてもらってよかった」 そう言いながら10分ぐらい泣かれて、僕ももらい泣きしました。

 

泣き崩れるくらい喜んでいただけるのであれば、悲しみを背負ったままのご遺族の方々の願いや想いを描いていくべきじゃないのかな。親友が「魔法」と褒めてくれた僕の絵の技術で、「絆画を描け」と言ってくれているんじゃないかな。これから僕が進むべき、道標を贈ってもらった気持ちになったんです。

 

もう一度、故人とご遺族の絆を描いて紡ぎ直したい。そんな想いから「絆画(きずなえ)」と名付け、2017年の9月から本格的に「絆画作家」として活動を始めました。

 
 

親友ご家族に絆画をお渡ししたときの一枚。


 

絆画を通して、故人ともう一度出会う。

 

「絆画作家」として活動を始めて、僕のこれまでの繋がりやいろんな友人の紹介で、少しずつ少しずつ依頼が来ています。

 

似顔絵のお客様から「絆画を描いて欲しい」とすぐに連絡がありました。婚約指輪をもらって幸せの絶頂だった矢先、不慮の事故で婚約者が亡くなってしまったそうなんです。「結婚式を挙げることができなかった。せめて、彼が大好きだった海の浜辺でウエディングドレスを着て、彼にお姫様抱っこされている絆画を描いて欲しい」そんなご依頼でした。

 

常連のお客様にそんな出来事があったのかと衝撃を受けながら、心を込めて描きました。遠方にお住まいのため直接お渡しはできなかったのですが、「胸がいっぱいで、しばらく動けなくなりました。本当にありがとうございます」とメッセージをいただけました。

 

叶うことのなかったウェディングを絆画の中で・・。


 
 

また5年前に娘さん15歳で亡くされたご夫婦へ、ご友人からのご依頼もありました。お父さんが娘さんの成人式に「お姫様抱っこをしてあげたかった」そうなんです。 お母さんはもう一度、「家族写真を撮りたかった」そう。

 

成人式を迎えた5年後の娘さんをイメージして、晴れ着で華やかにご家族を描かせていただきました。お渡ししたときにお父さんは膝が崩れて叫ぶように泣かれて、心の底から喜んでいただけました。

 
 

15歳で亡くなった娘と、絆画の中の成人式


 

 

こうして絆画を描いてお渡しするたびに、ご遺族の方の慟哭に近い心の叫びに触れます。ご遺族の方にとって、絆画を通して故人とまた出会うことが、明日を生きる元気になればと願って描いています。

 
 

絆画の中には、故人の意思や願望も生きている。

 

最初はご遺族の方のために、グリーフケアの一つの選択肢として絆画を描いていたんです。少しでも心に空いた穴や喪失感を埋められて、明日を笑顔で生きてもらえたらいいな。そんな想いでした。

 

おばあちゃんと猫の絆画を描いてから、少し心境の変化がありましたね。大好きだったおばあちゃんと猫を亡くした娘さんへ、お母さんからのご依頼でした。

 

おばあちゃんはもう一度大好きな猫と、庭でお散歩して日向ぼっこすることを夢見て、闘病していたそうです。でも猫が先に亡くなってしまい、おばあちゃんも後を追うように亡くなりました・・。そこでおばあちゃんが猫と笑顔で、お庭をお散歩している絆画を描きました。

 

 
 

描きながら「亡くなったおばあちゃんが元気だったら、いつかきっとやりたかったことも叶えてあげられているのかな」おこがましいかもしれないけど、そう思えたんです。

 

きっと絆画の中には、ご遺族の方の願いや想いだけではなくて、故人の意思や願望も生きている。両方叶えられているのかな。より一層、身が引き締まりました。

 
 

絆画が再び、故人の命を灯す。

 

故人が亡くなった事実、過去は変えられません。しかし、訪れるはずだった幸せや未来までもが、奪われてしまうのは違うと思うんです。全てが悲しい思い出になるのは虚しいですよね。

 

絆画を描くときは、依頼者の想いやご遺族・故人の細かい情報をお伺いします。正直、精神的には辛い時間です。依頼者やご遺族の心を鷲掴みにして、傷を抉っているのではないのかと罪悪感があります。それでも出来上がる絆画のために、故人の身長・体型・性格はもちろんですが、家族が記憶している故人の思い出も細かくお伺いしています。写真もたくさんお借りします。

 

そうして故人の人物像をイメージして膨らませることで、亡くなられてから数十年経っていたとしても、遺族と同じ年月を重ねた故人を描き出します。

 

お孫さんが生まれる前に亡くなった父との絆画。


 
 

出来上がった絆画を見た瞬間に再び、故人の命が灯って輝くならば、こんなに嬉しいことはないですね。絆画の中だけでも生きていると感じてもらえたら、遺された人たちにとっても少し救いになるのかな。そう信じながら僕は描くことで、故人の命を灯してもう一度、遺族との絆を結びたいです。

 
 

後半のインタビューはこちらから。絆画を描く、大村順の人柄や死生観に迫ります。

https://test-old.goaheadworks.com/blog/p1548/

 
 

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大村順(おおむらじゅん)

アートディレクター/イラストレーター/絆画作家

1985 愛知県知多郡生まれ。デザイン専門学校を卒業後、似顔絵のイベント会社を経て2017 株式会社ゴーアヘッドワークス入社。イラストも描けるデザイナー・アートディレクター及び、絆画作家。

経営理念「ゴキゲンに楽しく、人を笑顔にさせるデザイン提供」を胸に、 青春漫画のような鮮やかなイラストで、日本各地の企業の紹介漫画やカレンダー・経営理念を描きながら、活動の幅を広げています。

Facebook  https://www.facebook.com/j.00mura.kizunae

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故人とご遺族の絆を描く絵画 「絆画 (きずなえ)」

あなたの大切な方との絆を、もう一度描きます。

 

額装込・送料込で一名様3万円(税抜き)でお引き受けしています。一組一組心を込めて描いておりますので、一ヶ月に10組限定です。制作期間には一ヶ月ほど要しております。

ご依頼お待ちしております。

 

TEL0120-118-191 (ゴーアヘッドワークス)

過去の絆画制作実績はこちらから

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絆画ホームページはこちらから
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